日本は本気でバトンを獲りに行け!

ほとんどのカテゴリーがシーズンオフとなったモータースポーツ界ですが、
シーズンオフに気になることといえば、ストーブリーグ、そう来シーズンの
各選手の所属チームや参戦カテゴリーです。


先日、12月に岡山国際サーキットで開催されるスーパーフォーミュラテストの
参加ドライバーが発表されました。
このテストは、もちろん来季に繋がるものになるので、要注目です。


まず、最注目が2013年のGP2チャンピオン、ファビオ・ライマー選手でしょうね。
GP2といえば、F1直下のカテゴリーで、以前はここでチャンピオンとなれば、
F1での活躍が約束されていたようなカテゴリーでした。
近年はチャンピオンを獲っても、F1でのシートが無く、ステップアップできない
状態となっていますが。


ルーキーで楽しみなのが、佐々木大樹選手。
実際に走りを見始めたのはFCJ(フォーミュラチャレンジジャパン)の頃からですが、
非常にレース運びが上手く、良い意味で若手っぽくなく落ち着いてレースをする
(無駄にタイヤ使ったりだとか無茶な追い抜きとかをしない)ドライバーだと思います。

今年のGT500でも落ち着いてレースしていましたね。
もちろん速さも持ち合わせています。

今年はGT500ドライバーながら、レーシングカートの全日本のレースにも出て、
優勝したりもしています。
スーパーフォーミュラでも良い走りを見せてくれそうです。


あと、佐藤琢磨選手もテスト参加だそうです。

来シーズンもインディ参戦は決まっているので、インディのレースの合間、
またはインディのシーズン終了後に、SFにスポット参戦するのかな?
開発、セッティング能力が高いから、それを期待してのテスト起用かもしれない。


それから、このSFテストに参加するのではないかと噂されているのが、小林可夢偉選手。

来年、F1でのシート獲得が難しい状況になりつつあるからね。
1年間、F1浪人で何もしないなら、国内復帰でレース参戦でも良いと思う。
まぁ、F1って関わり続けてないとすぐに忘れられちゃうから、国内復帰したら、
今後F1に参戦するチャンスは限りなくゼロに近くなってしまうけれども・・・。


そういえば、F1からSFへ移ってくるのではないかと、夏ごろに噂が出た
F1ドライバーがもう1人いましたね。
ジェンソン・バトン選手です。

F1を引退して、日本に来てSF&SGTに参戦するのではないかという噂でした。
この噂が出た後、バトン選手はF1しか考えていない旨の声明を出し、
この話もそれ以降はあまり聞かなくなりました。
しかし、現時点でバトン選手とマクラーレン、またはその他のF1チームとの契約は
発表されていません。
今年のF1最終戦アブダビGPでは、マクラーレンからの最後の出走、F1での最後の出走を思わせる
発言や状況が、バトン選手自身やチームにあったようです。
もし、今年をもってF1を引退するなら、夏にはF1しか考えていなかったけど、
今ではSF&SGT参戦も視野に入っているかもしれません。


バトン選手といえば、ホンダF1チームに所属していたことがあり、
また、彼女が道端ジェシカさんということもあり、大の親日家です。

日本で走っている外国人ドライバーの中にも知り合いがいます。
日本がどんな国か知っている分、日本のレースに参戦するための障害や懸念は少ないと思います。
F1でワールドチャンピオンを獲ったことのあるドライバー(しかも現在もトップチームで
走っている一流ドライバー)が日本のレースに参戦した場合の日本側のメリットは
非常に大きいと思います。


まず、世界的に注目されるシリーズとなります。
バトン、可夢偉、琢磨、中嶋一貴リウッツィ、ロッテラー、カーティケヤン、ロシター・・・
これだけ元F1ドライバー(テストドライバー含む)が参戦しているフォーミュラレースは、
他にはインディとフォーミュラEしかありませんから。
しかも、それらの中ではSFが最速マシン(オーバルコース時のインディカーは除く)。
コーナーリングスピードではF1よりも速い!
そんなマシンで元F1ドライバーたちがどんな戦いをするのか。
世界的に注目されれば、外国でもテレビ中継が行われるかもしれません。
そうなれば、今までは国内にしか宣伝効果がなかった車体についたスポンサーロゴが、
国外でも宣伝効果が期待できるため、世界進出している企業がスポンサーにつく可能性が高まります。
外国の企業もスポンサーになるかも。
スポンサーが増えれば、参戦チームもドライバーも増えてレースはさらに盛り上がります。
外国チームの参戦なんかも有り得るかもしれませんね。


次に、レベルの高い戦いにより、日本人ドライバーのレベルも上がることが期待できます。
ドライビングテクニック、セッティングの進め方、レースの組み立て方、ピット戦略など、
学べることがあるかと思います。
もし、元F1ドライバーたちより日本人ドライバーが速ければ、
日本人ドライバーの評価も上がるでしょう。


そういえば、一昔前にこんなことがありました。
日本で走っていて、その後F1に行った外国人ドライバーが、F1でのインタビューで
「日本にはバカっ速いホシノっておっさんがいるんだよ!」と言ったところ、
外国人F1関係者は誰それ?って思うのと同時に、日本人にもそんなに速いドライバーが
いるんだと認識したそうです。
もちろんここで出てくる「ホシノ」とは、日本一速い男「星野一義」さんです。
日本では超有名ドライバーですが、残念ながら外国ではあまり知られていないようです。
(デイトナ24時間で優勝したり、1976年のF1富士での活躍などもあるのですが・・・)
興味を持ってもらって、知ってもらうしかないですよね。
そうすれば、新たなチャンスが生まれる可能性があるし。


バトン選手側には得るものが無いので、実現しないのではと思う人も多いと思います。
仮に惨敗でもしたら、F1での栄光が霞んでしまうことにもなりかねないし、と。
でも、F1を除いて世界最速フォーミュラマシンでのレースと世界最速の箱車レースなので、
ドライバーとしてはこれ以上無いくらい楽しいレースだと思うのです。
そうでなければ、中嶋一貴選手、ロッテラー選手、デュバル選手など、
忙しいWECの合間を縫って参戦していないでしょう。
もうレースはやりたくないっていうのなら話は別だけど、
まだバトン選手はレース引退をするつもりは無いようだし、
そうすると選択肢としてはそう多くは無いと思います。
WECか、DTMか、インディか、日本か、といったところでしょう。
そして、フォーミュラとGTの最速マシンは日本にあります。
トヨタか日産と契約すれば、WECのLMP1搭乗の可能性も。


こうして見ると、バトン選手にとっても日本が最善の選択肢だと思うわけです。
バトン選手が参戦することによって、日本側にとっても非常に大きなメリットがあり、
今後の日本のモータースポーツ界を変えるかもしれない可能性まで含んでいます。
お互いにとって良い関係が築けそうじゃないですか!
そんなわけで、参戦の可能性が少しでもあるのなら、何が何でもバトン選手を獲りに行くべきです。
ホンダ、トヨタ、日産、本気で獲得に向けて動いてください!
こんなチャンスはそんなに無いぞ!!!